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クーンツの隠れた名作? ぬいぐるみ団オドキンズの感想や魅力を語ってみる

 

 

 

 

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みなさん、大変長らくお待たせいたしました。

 

 

 

 

今回は、以前に旧ブログで語っていた「紹介したい作品」について語りたいと思います。

 

旧ブログではツイッターアカウントを開設した際に、その理由の1つに「最近ハマったある物語を紹介したい」というものがありました。

 

 

ツイッター始めます宣言からずいぶん経ちましたが、ようやく記事が完成したのでその物語についてとことん語りたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ディーン・R・クーンツの児童文学

 

 

 

 

 

 

その作品の名は、ディーン・R・クーンツの「ぬいぐるみ団オドキンズ」(原題:ODDKINS)(ハリネズミの本箱、早川書房です。

 

 

 

 

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ディーン・R・クーンツといえば、「ウォッチャーズ」、「悪魔の種子」、「オッド・トーマスシリーズ」、「ウィスパーズ」など、SF、サスペンス、ホラーなど様々なジャンルでベストセラーを出している作家。

 

本が好きな人にとっては、クーンツ=モダンホラーというイメージを抱く人も少なからずいるかと思います。

 

 

 

「ぬいぐるみ団オドキンズ」は、そんなクーンツが初めて児童向けに書いた作品です。

 

 

 

 

 

私がこの物語に初めて出会ったのは中学生の時。

 

私は本はあまり読まない人間なのですが、この「ぬいぐるみ団オドキンズ」だけは、なぜかタイトルを見たその瞬間から興味を惹かれ気が付いたら手に取って読んでいました。

 

今も昔も活字には苦手意識があった私でも何回も何回も読むくらいハマりましたし、ストーリーもキャラクターも大まかにですが記憶するくらい読みました。

 

その後大人になった私は、ふと立ち寄った図書館で「ぬいぐるみ団オドキンズ」と再会、懐かしさに浸りながらその物語を再び堪能し、現在に至ります。

 

 

 

 

ベストセラー作家クーンツが生んだ魔法の物語に再び魅了された私は、1人でも多くこの作品を知ってもらおうと思い、このブログで今皆さんが読んでいる「読んでみた感想」と「キャラクター紹介」の2つの記事を投稿しようと思います。

 

 

この記事では、「ぬいぐるみ団オドキンズ」を久しぶりに読んでみた感想やら印象に残ったシーンを書いてみようと思います。

 

 

キャラクター紹介記事のリンクは、投稿した後に下に貼っておきますので、こちらもぜひご覧ください。 物語のネタバレは極力抑えているのでご安心を。

 

 

 

kamesan555.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

さて、お待たせしました。

 

 

ここからはいよいよ本題。 私が久しぶりに読んだ「ぬいぐるみ団オドキンズ」の感想やら印象に残っている描写などを語っていこうと思います。

 

ただし、特に後半はネタバレが含まれますので閲覧の際はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大まかなあらすじ

 

 

まず、この「ぬいぐるみ団オドキンズ」と言う物語の大まかなあらすじを紹介します。

 

 

「知っているよ!」と言うせっかちな方はこの項目はスキップしていただいても構いません。

 

 

 

 

 

この物語の世界には、魔法のおもちゃ職人「アイザック・ボドキンズ」によって生み出された、生きたおもちゃたちが存在する世界。

 

 

彼ら魔法のぬいぐるみ、通称オドキンズは特別な子どもたちの秘密の友達になり、辛い出来事を乗り越え成長する手助けをする使命を帯びてこの世に生を受けます。

 

 

そんなオドキンズにとってのお父さんのような存在であったアイザックが帰らぬ人となり、悲しみに暮れているところから物語が始まります。

 

 

アイザックの持っていた魔法の力を受け継ぐ人物におもちゃ屋の女主人「コリーン・シャノン」が選ばれ、彼女にそのことを伝えるためオドキンズのリーダーであるテディベアのエイモスは仲間たちを引き連れ、外の世界へ冒険に出ることを決意します。

 

 

しかし、そんなオドキンズの前に立ちはだかるのは、子どもたちを傷つけるために生まれた、カロンおもちゃ工房の悪いおもちゃたち。

彼らは長い眠りから覚め、再び子どもたちの心を闇で支配する時代の到来のため、オドキンズを始末しようとする。

 

悪いおもちゃたちの魔の手が迫り、さらに外の世界は危険がいっぱい。 果たしてエイモスとゆかいな仲間たちは、シャノンさんのところにたどり着けるのだろうか?

 

 

 

 

 

…ここまで聞いた人の多くは、ディズニー・ピクサーの名作トイ・ストーリーを思い浮かべたと思います。

 

パクリじゃないかという声も聞こえてきそうですが、この本が現地アメリカで発売されたのは1988年、トイ・ストーリーアメリカ公開は1995年とオドキンズの方が先なのでパクリではありません。(訳者あとがきでも突っ込まれてますw)

 

 

 

ではここから、私が「ぬいぐるみ団オドキンズ」を読んで印象に残った部分やら感想やらを語っていこうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

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魅力的なキャラクター

 

 

もし私がぬいぐるみ団オドキンズの面白いところを誰かから聞かれたとしたら、まず個性豊かで魅力的なキャラクターについて語ることでしょう。

 

 

 

この物語には個性的なキャラクターが登場し、特にオドキンズたちが皆可愛くてたまりません。

 

本と詩が大好きなテディベアのエイモス、本物のゾウに強いあこがれを抱くゾウのバール、心優しく情け深い紅一点の犬のバタースコッチ、騎士の格好をした勇敢な猫のパッチ、人気コメディアンになることを夢見るウサギのスキッピイ、そして何の生き物なのか分からない知恵袋のギボンズといった具合に、キャラごとに異なる個性があります。

 

そんな個性豊かなオドキンズたちが織りなす冒険の物語は思わず魅入ってしまいますし、会話の文章をじっくり読むだけでも楽しい気分になります。

 

 

また、彼らと敵対するカロンおもちゃ工房の悪いおもちゃたちもひどくあくどい奴らばかりで、悪役としては申し分ありません。

 

 

 

 

 

 

情景描写も素晴らしい

 

 

キャラクター同士の掛け合いも読みごたえがありますが、私としては情景の描写もなかなか面白いと思いました。

 

アイザックの死に悲しみに暮れ、そして新しいおもちゃ職人を求めて旅立つ時は雲に覆われて、まるで不安や悲しみを象徴するような真っ暗な空に稲光が光ります

 

やがてまるで空の上のダムが決壊したかのようなどしゃぶりになり、気温が下がって雨はみぞれ混じりになっていきます。

 

 

最後、オドキンズがシャノンのところへたどり着いたころにはみぞれは美しい雪に変わり、真っ黒な世界をきれいに彩っていきます。

 

 

この空模様の変化が、オドキンズの冒険を通して彼らの心情が絶望や不安から、徐々に希望や幸福に変わっていく描写のようにも感じ、ものすごく印象に残っています。

 

 

 

 

 

 

リーダーとしての成長物語

 

「ぬいぐるみ団オドキンズ」は、A.A.ミルンの「くまのプーさん」に出てくるような可愛いぬいぐるみたちが、ピクサーの名作「トイ・ストーリー」のような大冒険を繰り広げる物語です。

 

しかし、この物語はもう1つ、「オドキンズのリーダー、エイモスが成長し絆をつなぐ物語」という側面もあると私は考えています。

 

 

コリーン・シャノンのおもちゃ屋さんに向かうため外の世界へ冒険に出たオドキンズたちは、皆個性的なメンツ。

 

旅立ったばかりの頃はみんなバラバラで、エイモス自身もリーダーとして的確な行動が思い浮かばず、アクシデントとはいえ大人に姿を見られてリーダー失格だと落ち込んだり自信を失くすことも多くあります。

 

ですが仲間たちの激励を受けたことで、責任感の強いエイモスは次第に的確な指示を出すリーダーへと成長し、オドキンズたちもまた様々な困難を仲間たちの力を借りて乗り越えたことでお互いの絆が強固なものになっていき、エイモスを慕いついていくようになります。

 

 

仲間たちとの接し方やエイモスのリーダーとしての振る舞いの変化も、分かりやすく時にユーモアも交えて描かれており、思わず声を出して朗読したくなるくらい引き込まれました。

 

 

 

 

※注意※ここから先は、ぬいぐるみ団オドキンズのさらなるネタバレを含みます。 閲覧は自己責任でお願いします。

 

 

 

エイモスとレックスの最期(?)の対比

 

 

さて、ここからは盛大にネタバレを含んだ感想となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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もういきなり結末を描いてしまいますが、エイモスは邪悪なおもちゃの1体であるハチのおもちゃスティンガーの奇襲と悪のおもちゃのリーダーレックスの攻撃を受けたことで詰め物が飛び散り、一度はその命を散らしてしまいます。

 

 

他のオドキンズはエイモスの死を悲しんでいましたが、生きたおもちゃたちの後を追っていたヴィクター・ボドキンズは悪のおもちゃたちを撃退し、彼の助けを借り無事シャノンのおもちゃ屋に到着。

 

アイザックが持っていた魔法の力を受け継いだシャノンによって体は修繕されたものの、エイモスは目覚めない。

 

エイモスが生き返らないという事実に、今まで苦楽を共にしてきたオドキンズたちはより深く悲しみます。

 

 

しかし、オドキンズたちが自分たちの体の中にある綿を少しずつ、まるで輸血をするようにエイモスに与えたことでようやく生き返りました。

 

親愛なるリーダーにして最高の英雄の復活に、オドキンズたちが歓喜したのは言うまでもありません。

 

 

 

 

 

一方のレックスはというと、エイモスにとどめを刺した後、残ったオドキンズを始末しようと襲い掛かるも、ヴィクターに体当たりされ、そのままマンホールから地下水路へと落下。

 

 

そこでレックスら悪いおもちゃを陰で操っていた黒幕である「闇のもの」の遣いであるネズミたちに連れられ、彼のもとへと案内される。

 

彼の側近として仕えることができると一瞬歓喜するレックスであったが、それは間違いであったことにレックスはすぐに気づく。

 

「闇のもの」がレックスを呼び寄せた、その本当の理由は彼に操り糸を付け文字通り彼の傀儡として一生を終えるというものだった。

 

自らの意思が無視される操り人形なぞ御免だとレックスは拒否しようとするがネズミたちがそれを許さず、闇のものの待つ闇の中へと連れ去られていった・・・

 

 

 

 

この2人の、善と悪それぞれのおもちゃのリーダーが辿った顛末が真逆だったのが、私は非常に印象に残っています。

 

エイモスは一度自身に死が訪れた時、自分が今まで共に冒険してきた仲間たちに看取られ、どうにか復活させてほしいとシャノンに懇願しており、命を落としても仲間に囲まれどこか幸福だったかもしれない様子が容易に想像できます。

 

一方のレックスはというと、もう一度闇の時代を築き上げるという千載一遇のチャンスをふいにしたことで「闇のもの」からの罰を受け、彼の身体に糸を付けられて「闇のもの」の意思がない限り動くことができなくなるという生き地獄を味わうこととなりました。

 

 

 

 

一度は死んだがそれでも仲間に愛されているという意味では幸福だったエイモスと、生き延びたものの文字通りの操り人形となり自由を永久に奪われたレックス。

 

 

敢えて真逆の結末にすることで、レックスの辿った末路がどれだけ悲惨かが際立っているようにも感じましたし、挿絵もないのにこれら2つのシーンは鮮明に場面が思い浮かびます。

 

 

 

 

 

ルパート・トゥーンの正体

 

悪いおもちゃとの戦いを終え、シャノンのおもちゃ屋にたどり着いてからは感動に次ぐ感動シーンの連続となります。

 

 

その感動シーンの1つとなるのがルパート・トゥーンの正体です。

 

 

引き続きネタバレ注意!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルパート・トゥーンは、読書好きなクマであるエイモスが憧れている詩人

 

事あるごとにエイモスはトゥーンの詩を暗唱してその素晴らしさを分かってもらおうとしますが、他のオドキンズからの評判はお世辞にも良いものとは言えず、暗唱しようとしたその瞬間おびえ、終わると一斉に安堵するほど。

 

 

 

 

そんな風にトゥーンは皆から散々な評価なわけですが、シャノンの修繕を終えても眠ったままのエイモスのそばに、トゥーンの詩のメモと鉛筆が転がっていました。

 

そのとき、その場にいた全員が気づいたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルパート・トゥーンとは、他でもないエイモス自身のことだったのです。

 

 

 

 

 

 

 

最低な出来の詩人の正体が、最高のテディベアだった。 そのことに気づいた瞬間、オドキンズたちは彼の詩を今まで馬鹿にしてきたことを激しく後悔しました。

 

そして、エイモスが再び永い眠りから目覚めた時、あれだけ嫌っていたトゥーンの詩を皆聞きたがっていました。

 

 

 

まさかトゥーンの正体に関する伏線がエイモスの復活を盛り上げる感動ポイントになるなんて思いませんでしたし、感動するシーンの中では特に好きな部分です。

 

 

 

 

 

 

 

幸せな生まれ変わり

 

そして物語がフィナーレに差し掛かった時、シャノンは危険を冒してでも使命を成し遂げたオドキンズたちに、ごほうびとしてあることを教えます。

 

それは、オドキンズが自身の使命を全うしその命が終わりを告げる時、その魂がどこに行くのかということです。

 

 

 

 

二度あることは三度ある。 またもやネタバレ注意です!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オドキンズたち、そしてヴィクターもその答えを待つ中、シャノンは優しく語り始めました。

 

 

 

 

 

 

オドキンズの命が終わりを迎えた時、彼らは本物の動物へと生まれ変わり本当の生を謳歌できるのです。

 

テディベアのエイモスは森の中で暮らす熊になり、バールはアフリカの大草原を歩む象となり、バタースコッチは優しい飼い主と暮らす犬となり、スキッピイは大地を駆け回るウサギになり、パッチは街中を探検して回る猫となり、そしてギボンズ好きな動物に生まれ変わります。

 

 

 

 

そしてそして、その動物としての生を終えた後は、再び生きたおもちゃに生まれ変わり、今度はおもちゃが大好きな神様のもとへ行くことができる、というものでした。

 

生まれ変わると動物になれるという話を聞いてオドキンズは大喜び。 その幸福に満ちた雰囲気はページ越しでも私にも伝わって、私も思わず「本物の動物になれてよかったね」とオドキンズを祝福したくなるほど、幸せな気持ちで満たされ泣きそうになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ終わり

 

 

 

 

 

 

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子どもから大人まで楽しめる物語

 

 

というわけで、10数年ぶりくらいに読んだ「ぬいぐるみ団オドキンズ」の感想やら印象に残ったシーンやらをいろいろ紹介してみました。

 

 

魅力的なキャラクターに息もつかせぬ展開の連続、そして希望と幸福に満ちたラストと素晴らしい部分がたくさんあって、久しぶりに童心に帰って楽しめました。

 

また邪悪なおもちゃたちや不安を感じさせる空模様など、ホラー小説を手掛けたクーンツらしさもちらほら。

 

 

 

ちなみにこの作品、原題には「FABLE FOR ALL AGES(全ての世代に贈る寓話)」という副題がついています。

 

この副題の通り、「ぬいぐるみ団オドキンズ」は想像力豊かな子供まで夢を忘れてしまった大人まで全ての人が楽しめる素晴らしい夢物語だと思います。

 

 

 

中学時代のあの日、「ぬいぐるみ団オドキンズ」という素晴らしい物語に出会えて心からよかったと思いますし、(少なくとも私の中では)名作と言える物語を執筆してくれたディーン・クーンツには心から感謝しています。

 

 

 

 

 

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