私のブログの別記事でも語ったように、私は図書館で見つけた「ぬいぐるみ団オドキンズ」を読み、その世界観に魅了され感想記事を書きました。
中学時代に出会った魔法の物語に再び巡り合えて、今もワクワクが止まりません。
で、感想記事でも語っているように「ぬいぐるみ団オドキンズ」の魅力の1つが、個性豊かなキャラクター達。
彼らキャラクター達が織りなす物語は、30代手前のおじさんである私が読んでも夢中になるほど魅力的。
そこでこの記事では、命を持つぬいぐるみ「オドキンズ」をはじめとする、主なキャラクター達を紹介していこうと思います。
また、主役サイドのオドキンズだけですがイラストも描いてみましたので、こちらもお楽しみください。
※この記事に載せているイラストは、日本語版に使用されている田口順子さんの挿絵をベースに描いています。 多少なりともアレンジが加わっているのであまり似ていないかもしれませんが、それでもいい方はご覧ください。
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オドキンズ
オドキンズとは、アイザック・ボドキンズら魔法のおもちゃ職人が生み出した、命を持つ生きたぬいぐるみたちのこと。
オドキンズという名前は生みの親であるアイザック・ボドキンズの姓をもじって、へんてこな親戚たちと言う意味の「odd kins」から名付けられた。 つまり、彼にとってのちょっと変わった家族であるという意味がこめられている。
普通のおもちゃと同じように店頭に並べられて、秘密の友達を欲しがっている特別な子どもたちへの贈り物として売られていく。
子どもたちが辛く悲しい目に遭っている時、慰めてあげたり相談に乗ってあげたり遊び相手になってあげたりして、自信と愛に満ちた大人へと成長する手助けをするのが彼らの使命である。
ただし大人たちの前ではただのぬいぐるみのふりをしなければならず、動いたり喋ったりしていいのはオドキンズ同士やおもちゃ職人の前、特別な子どもと2人きりになった時だけ。
そして子どもたちが自立しオドキンズの助けを必要としなくなった時、役目を終えたその命は消滅しオドキンズはただのぬいぐるみになってしまう。
そして大人になったかつての子どもたちもまた、オドキンズと過ごした不思議な日々はただの空想とか夢だと思うようになる。
オドキンズが命を終えた時その魂がどこに行くのかは、生みの親であるアイザックですら分からない。
エイモス
アイザックの生み出した命を持つぬいぐるみたち「オドキンズ」のリーダーであるテディベア。
物事を理解した時に言う「がってんしょうちのすけ」が口癖。
アイザックから皆を導くリーダーに任命され、はじめはうまくいかず思い悩むも仲間たちとの冒険を経て皆に慕われるリーダーへと成長していく。
本を読むことと詩を創作することが好きで、森のはずれの小屋の中で、羽ペンでのんびり詩を書くのが夢。
ルパート・トゥーンという詩人に憧れており、彼の作品の素晴らしさをオドキンズに伝えるために詩を暗唱する(そしてメンバーから止められる)こともある。
セーターに描かれた不思議なマークは、ギリシャ文字の最初の文字α(アルファ)と最後の文字Ω(オメガ)を組み合わせたもので、「仲間を思いやる最初の者となり、絶望する最後の者となれ」、「勇気を持つ最初のものとなり、おそれを抱く最後の者となれ」という意味が込められている。
バール
ゾウのぬいぐるみ。
一人称は「私」で、老ギボンズほどではないが年長者のような堂々とした口調で話す。
他のオドキンズと同じく命を持ったぬいぐるみであるが、本物のゾウに強いあこがれを抱いており、群れと共にアフリカの大草原を歩くことを夢見ている。
本物のゾウに対するあこがれの強さは本物で、敵に対しても怒り狂ったゾウのように挑もうとしたり、皆が雨を避けようとする中恐れることなく水溜まりで水浴びをしたり、他のオドキンズに対してもゾウになるべきだと強く勧めたりしている。
またスキッピイの嫌味や皮肉に気づかないなど、よく言えば純粋、悪く言えば鈍感なところもある。
バタースコッチ
4足歩行の犬のぬいぐるみで、エイモスと共に冒険に出たオドキンズたちの紅一点。
まるで母親のように情け深く優しい性格で、リーダーとしての自信を失くしたエイモスを励ましたり、命を持たないいわゆる普通のおもちゃを見た時には「不公平だ」とこぼした。
6人の中では一番現実的な考え方の持ち主で、夢を見るよりも今この生きている瞬間を皆と分かち合いたいという思いが強い。
かつ、自身が命を持った犬のぬいぐるみとして生まれたことに誇りを持っている。
普段は穏やかな性格のバタースコッチだが、優しい性格ゆえに自分勝手な行動をとる者に対しては激しい怒りを見せることもある。
鎖のちぎれた雑種犬にがその乱暴で無礼な態度を取った時は、同じ犬としてのプライドゆえか、口調こそ穏やかだが怒りと落胆と悲しみの混じった説教をしたことも。
スキッピイ
ウサギのぬいぐるみ。 一人称は「おいら」。
いつかテレビで引っ張りだこの人気スターになり、ビバリーヒルズで某世界一有名なネズミの隣に住んだり、ハリウッドのウォーク・オブ・フェーム通りに自分の星印を刻むことを夢見ている。
コメディアンに憧れているためいつもおどけた調子でジョークをかますお調子者で、敵に遭遇した際も軽い口調で挑発し周囲をヒヤヒヤさせたり逆に怒らせてしまうことも。
また事実を誇張したり嘘を言ったりして、自分を大きく見せる癖がある。
しかし自分が悪いと分かれば謝るなど、根はいい子である。
パッチ
「三銃士」に出てくるような騎士の格好をした猫のぬいぐるみ。
自身を凄腕の剣士だと信じており、ひとたび敵に遭遇すれば鞘に納められている剣を抜き果敢に立ち向かう。
その姿はさながら「長靴をはいた猫」である。
とはいえ、その剣は本物ではなくゴム製であるため、お世辞にも破壊力があるとは言えない。
ちなみに、頭に被っている銃士の帽子は頭に縫い付けられ固定されているため、脱ぐことはできない。
騎士がモチーフのキャラクターだが、日本語版では一人称が「拙者」で語尾に「ござる」を付けるなどなぜか時代劇に出てくる侍のような口調で話す。
自分が勇敢な騎士であるが故か危険なことや冒険が大好きで、恐れるどころか逆に心躍らせる。
また身だしなみをかなり気にしており、ネコらしく濡れたり汚れたりすることをひどく嫌う、おしゃれ好き・きれい好きな一面も。
ギボンズ
老人のような姿のオドキンズ。
他のオドキンズとは違い、どんな生物をモチーフにしたのか明確に明かされていない。(一応アイザックが昔絶滅した大昔の生き物をモチーフにしたこと、イギリスの作家チャールズ・ディケンズの物語の登場人物のような外見であることは明かされている)
ギボンズはアイザックが初めて縫い上げたオドキンズで、オドキンズの歴史や伝説に詳しい最古参の長老。
他のオドキンズと違い特別な子どもたちの成長の助けになるために生み出されたわけではなく、新しい魔法のおもちゃ職人が選ばれた時、その方法と知識を彼らに伝える使命を持つ。
学者肌ということで少々頭でっかちなところもあるが、リーダーとして発展途上なエイモスを人生の先輩としてアドバイスし、厳しく律する。
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悪いおもちゃたち
アイザックがルーベンおもちゃ工房を構える前におもちゃを生産・販売していた「カロンおもちゃ工房」のおもちゃたち。
オドキンズと同じく命を持ち動いたり話したりできるが、彼らとは逆に「子どもたちを傷つけ、悲しませる」ために生み出されたおもちゃで、優しさや誰かを思いやる心は一切持ち合わせていない。
ルーベンおもちゃ工房のおもちゃたちが子どもたちを幸せにしていったことで鳴りを潜め、ルーベンおもちゃ工房の地下のそのまた下の階の木箱の中に封印されていた。
しかしアイザックの死をきっかけにカロンのおもちゃたちは目覚め、オドキンズの計画を阻止し、悪の時代を築き上げるための計画を始動させる。
もしアイザックの工房が彼らのものになった時、数えきれないほどの邪悪なおもちゃが子供たちの手に渡り、彼らの未来は闇に包まれ、台無しにされてしまう。
レックス
シルクハットにスーツを身に着けた、木製の操り人形。 ただし操り糸はついておらず、自分の意思で自由に動くことができる。
手にしているステッキは先端にナイフの刃が隠されている仕込み杖になっており、オドキンズの柔らかい体を貫くほど鋭利。
悪いおもちゃたちを束ねるリーダー格で、目的を阻む者に対しては容赦なく襲い掛かる。
リジー
女の操り人形で、1920年代に流行したフラッパーと呼ばれる格好をしている。
手には黒いシガレット・ホルダーが握られており、手にしたタバコは邪悪な力により、マッチもライターも使わずに点火することができる。
邪魔者を追い払う際も、このタバコの火を使用する。
他のカロンのおもちゃたちの例にもれず、子どもたちをいじめいたぶることに至高の喜びを感じる。
ギア
まるで未来から来たようなデザインのロボットで、カロンおもちゃ工房が作った最後のおもちゃ。
悪そうに光る両目の黄色いライトと、ショベルのようにギザギザの歯が特徴。
ステレオタイプなロボットのように口調は片言だが、ロボットらしく強靭な鋼のボディを持ち腕の力もすさまじい。
ジャック・ウィーゼル
ピエロの顔を持つびっくり箱。 ピエロらしく小さな帽子を被り首周りにはひらひらの襟を付けている。
血のように赤い箱の両側にはカミソリのように鋭い車輪がついており、両手で地面を押すことで前進することができる。
両目は、右は小さい緑で左は大きく血のように赤い、いわゆるオッドアイ。
体と両手はアコーディオンのように伸縮自在で、4本指の手には白い手袋を付けている。
オドキンズを箱の中に閉じ込めたり黄色い歯で噛み砕くことを心待ちにしており、そのたびに怪しく笑うクレイジーなサディストである。
スティンガー
木製のハチのおもちゃ。
黄色い体に黒い縞模様を持ち、頭は黄色で大きな深紅の目を持つ。
ハチらしく、蝶番でつながった金属製の翅で飛行することができ、お尻から望遠鏡のようにするすると伸びる針が武器。
また、赤い車輪が付いているため陸上を走ることもできる。
スティンガーの役割は、自慢の翅で飛行してオドキンズの動向を偵察しレックスに報告すること。 空中から奇襲をかけ、彼らを串刺しにすることも得意。
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その他
アイザック・ボドキンズ
オドキンズたちの生みの親である魔法のおもちゃ職人。
魔法の力で命を宿らせ、動いたり喋ったりできるぬいぐるみを生み出すことができる。
11月のある日、休憩がてらソファーで横になり、そのまま息を引き取った。
ヴィクター・ボドキンズ
アイザック・ボドキンズの甥。
アイザックの魔法の力や生きたぬいぐるみは一切信じない根っからの現実主義者で、数字と金を何より信じている。
アイザックの死に対しては、一応悲しんではいたが叔父はかわいいぬいぐるみに囲まれ、いつまでも子どものままで大人にならず生涯を終えたことに対して、「なんて意味のない人生」と見下していた。
彼がボドキンズ家の唯一の親族であったためアイザックのルーベンおもちゃ工房を相続したものの、アイザックのことを快く思っていなかったヴィクターはおもちゃ職人になる気は毛頭なく(工房が呪われているとさえ思っていた)、すぐに売り払うつもりでいた。
しかし、その工房に向かう道中で生きたおもちゃと遭遇したことがきっかけで、まるで魔法にかかったかのように彼の運命が大きく変わり始める。
コリーン・シャノン
街中にあるおもちゃ屋「ワンダースミス」の女主人。
結婚してすぐに夫を亡くし、今は一人暮らしをしている。
彼女もまた幼少期にオドキンズの世話になっており、そのおかげで壊れたぬいぐるみを修理することに幸せを感じる心優しい女性となった。
シャノンがアイザックの後を継ぐ新しいおもちゃ職人に選ばれ、それを彼女に伝えに行くのがエイモスたちに課せられた任務である。
ニック・ジャッグ
かつて凶悪な犯罪を犯し、刑務所に入れられていた元囚人。
この世にあるすべてのものを憎んでおり、何かを憎むことで周囲の人々を不愉快にさせるのが彼にとっての唯一の幸福という、同情の余地のない極悪人である。
刑務所から出所し、その後悪いおもちゃを陰で操る黒幕である「闇のもの」の導きにより大量の金が入ったスーツケースを手に入れ、ルーベンおもちゃ工房をヴィクターから買い取り、自身が子どもたちを傷つける悪のおもちゃを作る職人になるため彼のもとへ向かう。
ルパート・トゥーン
エイモスの台詞にたびたび登場する謎の詩人。
読書家であるエイモスはいつか彼のように素晴らしい詩を書きたいと願っており、事あるごとに仲間たちに彼の詩を読んで聞かせている。
しかし、少なくともエイモス以外のオドキンズからの評判はよろしくない。(スキッピイ曰く「ノーベル(賞)じゃなくてノー・ナシ賞さ」)
そして物語がクライマックスに差し掛かった時、トゥーンの正体が明らかになる。
以上で、「ぬいぐるみ団オドキンズ」に登場する主なキャラクター紹介を終わります。
生きたおもちゃも人間たちも個性的なキャラクターばかりで、今でも彼らの会話を頭の中で想像するだけでワクワクする気持ちにさせてくれます。
「ぬいぐるみ団オドキンズ」は、言語版の副題に「FABLE FOR ALL AGES」(全ての世代に贈る寓話)とあるように、子どもから大人まで全ての人が楽しめる、魔法や奇跡は特別ではなくごくありふれたものであるということを教えてくれる物語となっています。
この記事を通して、「ぬいぐるみ団オドキンズ」という素敵な物語に少しでも興味を持ってくれていれば幸いです。
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