みなさんこんにちは。 ぼちカメさんです。
最近はスプラトゥーン3を中心に、いろんなアニメやお絵かきを楽しんでいます。
さて、今回は映画「さよならティラノ」の感想を書いていこうと思います。
さよならティラノは、宮西達也さん著の人気絵本シリーズ「ティラノサウルス」を原作に、日中韓3国が共同製作、そしてかの有名な手塚プロダクションがアニメーション制作を担当した隠れた名作アニメ映画。
去年に予告編を見て、映画館で観てみたいとずっと思っていたのですが、なかなかスケジュールが合わず結局見ることができずに終わってしまいました。
そんな中、今月の三連休にキッズステーションで放送していることを偶然知り、スプラトゥーン3のフェスそっちのけでテレビにかじりつくように見ました。
というわけで今回は、実は隠れた名作…かもしれないさよならティラノの感想やら印象に残ったシーンやらをいろいろ語っていこうと思います。
当然ながら、この記事にはさよならティラノのネタバレを含みます。 未見の方は回れ右!!
あと私はこの映画を1回しか見ていないので、ストーリーや解説がうろ覚えだったり間違っている部分がある可能性もありますのであしからず。
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主人公がみんなかわいい
まず最初に、本作の主人公である3頭の恐竜たちについて。
この主人公たちがみんな魅力的で、思わず感情移入したり応援したくなる子たちばかりなんです。
まずは本作のヒロインであるプノン。
プノンは、幼少期のとあるトラウマのせいで飛べなくなってしまったプテラノドンの女の子。
亡くなった母親の「天国を目指しなさい」という言葉を聞き、氷河期が迫る恐竜の世界の唯一の楽園である天国を目指し、ティラノやトプスと共に旅に出ます。
プノンは優しくて勇敢で健気な性格で、とってもかわいい女の子です。
普段は元気いっぱいで強気なプノンですが、プテラノドンなのに飛べないというコンプレックスに直面し恐怖することもあり、そういう弱い一面を見せると応援したくなってしまいます。
幾度となく困難にぶつかっても、「天国へたどり着く」という夢は絶対にあきらめず、まっすぐに突き進むその強い姿もプノンの魅力の1つです。
続いては、この映画のタイトルにもなっているもう1人の主人公ティラノ。
その名の通り恐竜の王様ティラノサウルスだが、彼もまた過去のトラウマで肉は食べず代わりに赤い木の実を食べている。
赤い実のなる木がたくさんある天国の存在をプノンから聞いたティラノは、彼女と共に天国を目指す旅へと出かけます。
ティラノサウルスということで見た目は粗暴だが、中身はメッチャ友達思いでメッチャ優しい男でした。
予告編見た私のティラノの第一印象はツンデレで、プノンにしつこくお願いされて仕方なく付き合ってあげているうちに友情が芽生えるみたいな感じのキャラかと思っていました。
しかしいざふたを開けてみると粗暴な一面を見せつつも、最初から最後までめっちゃ友情に厚い男で好感しか持てませんでした。
また、ティラノは嘘をつくと尻尾を振る癖があります。 こういう素直というか、嘘を付けない体は正直なところもかわいいですね。
3頭目は、天国へ向かう旅の途中で出会ったトプス。
トプスはトリケラトプスの子ども。(性別は不明) 天国の裏側にある荒野に他の仲間たちと一緒に住んでおり、母親の帰りを待っている。
トプスはまだ幼い子どもトリケラトプスなので、動きも表情も天真爛漫&表情豊かでかわいいのがチャームポイント。
ティラノやプノンをおじちゃんお姉ちゃんと呼んだり、尻尾振ってるティラノを面白がったり、光る植物を無邪気に追いかけまわしたり、プノンとティラノが母親のことを隠していたことにショックを受け涙したり、とにかく笑ってるところも泣いてるところも全部可愛いです。
また、この子もプノンやティラノと同じく友達思いで勇敢。 悪い恐竜たちに対してはたとえ自身が無力でも何とかやっつけようとする健気な子なんです。
プノンも、ティラノも、トプスも、みんな愛くるしくて優しいヤツばっかりで、みんな友達になりたいくらい大好きです。
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白い悪魔マジ悪魔
続いては、本作のヴィラン(悪役)であるゴルゴサウルスのゴルゴについて。
このゴルゴもまた、主役3頭とはまた別ベクトルで魅力的なヴィランなのも評価ポイントです。
プノン、ティラノ、トプスの3頭は、出身も種族も違うが、偶然にも別名「白い悪魔」と呼ばれるゴルゴサウルスのゴルゴに人生(と言うか恐竜生?)を狂わされたという共通点を持っています。
プノンは、ゴルゴ率いるゴルゴサウルス軍団(以下ゴルゴ軍団)にかつての故郷を襲撃され、その際に母親を失いました。
その後ゴルゴから飛んで逃げようとしますが、飛行中に弟のノトンの手を離してしまい、この一連の出来事がトラウマになり翼竜なのに飛ぶのが怖くなってしまいました。
一方のティラノは、かつてのダチと狩りをしていた時、ゴルゴ軍団の仕掛けた罠にはまりがけ下に転落。
その後ティラノは真っ暗な洞穴からどうにか這い上がりダチと再会するも、彼はすでに虫の息。
この時ダチは「自分を食べて生き延びてくれ」と促すが、ダチを犠牲に生きたくないティラノは彼のたてがみを形見として身に着け去っていった。
ティラノもまた、この出来事がトラウマになって暗所恐怖症になる&肉が食べられなくなり、肉食動物でありながら赤い木の実しか食べられなくなってしまいました。
そしてトプスの母親もまたゴルゴに殺されており、しかもその真相をトプスは天国にたどり着くまで知りませんでした。
プノンもティラノもトプスの母親がもうこの世にはいないことを告げられなかったことで絶交されそうになり、結果論ですが3頭の友情を引き裂きかけた遠因を作ったと言えます。
しかもこいつがこれらの行為を行う理由は、生存競争とか種族繁栄とかそういうのではなく、ただ自分の力を誇示するためで、すべて遊び感覚で行ったもの。 なんて外道な奴なんだ…
まるでゲ○ルやブ○ッドゲームのように狩りを楽しむ残虐性、プノンの視線で罠の存在に気付く狡猾さは、まさに白い悪魔の名に恥じぬ極悪っぷり。 ゴルゴは本作の悪役として申し分ありませんでした。
最近のディズニーとかアニメではやむを得ない事情で悪事に加担した者や、善良な人物かと思っていたら悪役だったというパターンが多いと感じていたので、ゴルゴのような「昔のアニメによくいた、同情の余地のない分かりやすい悪役」は逆に斬新に感じました。
天国の管理人
続いては、プノン一行が目指す天国を守っている、ルクトらアンタルクトサウルスたちについて。
全ての命の源ともいえる母の木がそびえたつ天国を守るアンタルクトサウルスは、肉食の恐竜は問答無用で追い出し、無理に入ろうものなら罠にはめようとする。
それは肉を食べない善良な肉食恐竜であるティラノやプノンに対しても例外ではなく、天国を目指してやって来た一行を入れることを許さなかった。 それどころ彼らを(トプスの母親の件もあって)嘘つきと決めつけ敵視したのだ。
確かにトプスに優しい嘘をつき母の死を告げられなかったプノンやティラノにも全く非がないわけではないが、この一件で彼らを嘘つきとみなし最後まで信用しないのはちょっと頭固すぎと思います。
プノンがゴルゴサウルスの集団が天国に攻めてきていることを知らせに来ても、一切信じず逆に攻撃を加えました。
もしすぐにプノンの忠告に耳を傾けていれば、被害は最小限に抑えられていたかもしれない。 一歩遅ければゴルゴの言葉通り天国が地獄に変わっていたかもしれない。 それなのにプノンを敵とみなし攻撃したのだ。
総じて、リーダーであるルクトを含めアンタルクトサウルスたちは頭が固く、考えを曲げようとはしない頑固者の集まり。
アンタルクトサウルスは草食なので、肉食恐竜は出禁という掟が百歩譲って納得できるとしても、同じ草食恐竜であるはずの年老いたトリケラトプスたちを天国に入れず荒れた大地に住まわせるのはさすがに暴君過ぎるのではないかとも思いました。
肉食恐竜に天国を荒らされたくないという言い分も分かるし彼女らなりの正義で動いているのかもしれないが、命の恵みの源である母の木と赤い木の実を独占しようとしているようにも見えましたし、滅びのカウントダウンが迫る世界の中で自分たちだけが生き残りたいというエゴではないかとさえ思いました。
すべてが解決した後のフォローと言うか謝罪もないしで、敵ではないけれども頑固な嫌な奴らと言う印象を強く受けました。
ゴルゴが狩猟と殺戮を楽しむ自覚のある悪ならば、天国の管理人たちは自分たちの正義を妄信しすぎている自覚のない悪といったところでしょうか。 そういう意味ではゴルゴサウルスたちよりも質が悪いかもしれません。
ありがとう、そしてさよなら
プノンとティラノの奮闘むなしく、ルクトたちは白い悪魔ゴルゴとその部下たちの天国への侵入を許してしまう。
プノンはせっかく過去を乗り越えて飛べるようになっても信用してくれなかったり、ティラノがプノンたちのために体を張ってゴルゴと戦っても敗北したり、トプスも友達のために戦おうとしても無力だったり、ここらへんの終盤の一連のシーンは最初から最後まで状況がなかなか好転せず見ていて本当にしんどかったです。
しかし、ゴッチとルッチのおとぼけコンビに助けられマグマだまりから地下の牢獄へこっそり侵入したティラノがゴルゴの足止めに成功。
だがそれでも、先のゴルゴとの戦いで満身創痍であることに変わりはなく、ボロボロの身体を引きずってでも友達を助けようとする。
噴火までのタイムリミットが迫る中、ティラノは驚きの行動をとる。
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なんと、ティラノはゴルゴを道連れにしてマグマの海へダイブしようとしたのだった。
プノンとトプスは必死に止めようとするが、ティラノの意志は固い。
大事な仲間を、そして約束を守るため、ティラノは仇敵である白い悪魔ゴルゴと運命を共にするのであった…。
そしてティラノが実は生きていたなんて、そんな都合のいい奇跡が起こるわけもなく、プノンも仲間たちも彼の死を受け入れるしかなかった。
最終的に天国は守られ、トプスや年老いたトリケラトプスたちも天国へと迎え入れられたが、それでも大事な友達を喪った心の傷は深くルクトたちのフォローもあまりなく、その平和のためにティラノが犠牲になったせいか素直に喜べない感じがします。
実はタイトルの時点でティラノが死ぬかもしれないという予感はしたし、同時にそんな死亡フラグもへし折って生還してくれるという期待もありました。
しかし結局私の淡い期待はぶち壊され、タイトル通りティラノとは永遠の別れが来てしまいました。
話を戻すと、ルクトたちとの誤解が解けたプノンも天国へと迎えられたが、彼女はそれを拒否。
プノンは、ルクトたちから天国に入ることを拒否された時ティラノと交わした「2人だけの天国を見つける」という約束を果たしていない。 これからそれを見つける旅に出るのだ。
そしてプノンはティラノが遺した「ダチの形見」を頭に乗せ、飛び立つのだった。
最終的に白い悪魔率いるゴルゴ軍団の魔の手から天国は守られたものの、ティラノは結局この世を去り、結末は決して純粋なハッピーエンドではないのですが、ティラノたちとの冒険を通じて自由に飛べるようになったプノンならきっと2人の天国を見つけられるという希望を感じられる、ビターエンドと言えるラストでした。
ラストシーンについて
この映画は、愛らしいシーンもあれば涙を誘うシーンもあり、最初から最後まで楽しめて大満足の出来でした。
しかし、敢えて不満点を挙げるならば、感動のエンドクレジットの後のシーン。
そのシーンと言うのが、ゴルゴの部下であったゴッチとルッチが敵であるはずのティラノを助けたことを話したり、2人が友情を確かめ合ったりするというコミカルなもの。
最近の映画でよくあるクレジットの後のおまけシーンの類なのですが、なんか映画で感動してたのにコミカルなやり取りを見て涙が引っ込んじゃいましたw
別に感動ぶち壊しって言うほどのひどいシーンではないのですが、プノンがティラノの死を乗り越えて夢を叶えるため旅立つという感動のラスト&美しいエンディングテーマの後にこれはなんだかミスマッチだったように感じましたし、これはちょっと蛇足だったかなと個人的には思います。
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おわりに
というわけで、「さよならティラノ」を見た感想やら印象に残ったポイントをいろいろ語ってみました。
前半は個性豊かで愛らしい3頭の掛け合いが中心ですごく癒されるのですが、天国にたどり着いた後半パートあたりから急にシリアス色が増し、明るくほのぼのした世界観からは想像できないほどハードなラストを迎えたと思います。
しかし、ティラノとの永遠の別れという残酷な現実にもプノンは決してくじけず、自分の夢のために文字通り飛び立ったという希望溢れるラストですし、もう何も恐れるものもなく世界中を自由に飛び回るプノンならきっと2人だけの天国を見つけ出せると信じています。
キャラクターの方も、かわいいやつから憎らしいヤツまでいろんな恐竜がいて、それぞれが他とは違う個性を出していて最終的にはみんな好きになりました。
ちなみに私の一番の推しはプノンちゃん。
元気でかわいいのはもちろんのこと、過去のトラウマに苛まれ苦しみながらも仲間たちの助けを借りながら最終的には飛べるようになり、ティラノの死にもくじけず彼との約束を果たすため天国を探して旅立つ姿は涙を誘うし、その健気で強い姿に惚れました。
ずっとずっと見たいと思っていたさよならティラノをようやく見ることができたわけですが、期待以上の感動作で、他のアニメと違ってマイナーかもしれないですが、だからこそもっと評価されるべき隠れた名作だと思いました。
まさに笑いあり涙ありの美しいアニメで、見るだけで心が浄化されるような、切ないけどすごく優しくほっこりしたような気分になりました。
1回見ただけじゃ満足できないくらい面白かったので、いつかDVDなりサブスクなりで何回でも何回でも見まくって、いつか原作絵本も読んでみたいですね。
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