ついに公開された「劇場版ポケットモンスター キミに決めた!」。
ポケモン映画20周年作品として、記念すべきアニメ第1話をリメイクした作品として話題になっています。
ポケモンだいすきの私もさっそく見てきましたので、今回はその感想を見てきました。
※例のごとく映画のネタバレ有りなので閲覧の際は要注意!
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懐かしい旅の思い出
まず今年のポケモン映画は「1人のトレーナーとポケモンの旅の記録」という印象を受けました。
過去のポケモン映画はサトシ一行が幻or伝説のポケモンと出会い、大事件にも巻き込まれていくという流れが主流でした。
しかし今回はエンティゲットがきっかけでサトシ、マコト、ソウジの3人のトレーナーが巡り会い、ホウオウと出会うための旅の中でポケモンと出会いと別れ、敗北の壁と様々な経験を通して成長していくというストーリーになっています。
言い換えると、サンムーン以前のサトシが仲間と一緒にポケモンの世界を旅するという、懐かしいあの頃のアニポケの延長みたいな感じですかね。
次々と新しい展開が巻き起こり、まるでテレビ放送を連続で見ている気分になれました。
あくまで私の主観ですが、このストーリーは「あり得たもう1つの可能性」、すなわちもう1つの「アニメポケットモンスター」であると私は考えています。
ご存知のようにアニメ第1話でもホウオウが登場していますが、アニメの方では今後の展開のためかそこまで掘り下げずに終わっています。
となると、今回のこの映画は「あの日あの時ホウオウを目にし、にじいろのはねを授かったサトシがホウオウにバトルしに行ったらどうなるか?」というifの話ともとることができそうですね。
ホウオウを取り巻くポケモンたち
今回はサトシたちがホウオウに会いに行くためにテンセイ山の頂をめざすというストーリーになっていますが、今回のストーリーにはジョウト地方で幻のポケモンと呼ばれているエンテイ、スイクン、ライコウがカギになっています。
エンジュシティにある塔(のちの「やけたとう」)が落雷によって火事になり、それが原因で3匹のポケモンが焼け死んだ。
このことを悲しんだホウオウは、自身の力でそのポケモンをエンテイ、スイクン、ライコウとしてよみがえらせました。
私は映画を見るまでこの設定を忘れていたのですが、彼ら3匹とゲームで初めて遭遇する場所があの火事のあった塔なのもうなずけます。
彼らはサトシたちの旅の道中で姿を現しています。 ソウジの言っていたように彼らがホウオウに会うトレーナーにふさわしいかどうかを見定めていたのかもしれません。
そしてホウオウを語る上で欠かせないのが今作で初登場となる幻のポケモン「マーシャドー」。
マーシャドーはにじいろのはねを持つトレーナー、すなわちサトシの影に潜みホウオウの試練を受けるにふさわしいかどうかを見守り、導く役目を持っています。
サトシがポケモンをないがしろにするなどしてトレーナーとして間違った道に進みそうになった時には悪夢を見せ、自分の大事なパートナーのことを思い出すことができるかどうかを試したりもしました。
そして、にじいろのはねは悪しき心を持つ者が手にすると黒ずみ、色を失う性質を持つのですが、黒いはねを使ってホウオウを呼び出そうとした者には文字通りの鉄拳制裁を加え道を正そうとします。
またゴーストタイプらしく周囲のポケモンを操る能力を持っています。
今回登場するポケモンのメインはホウオウですが、これらのポケモンたちもまた要所要所で活躍していました。
初代ファン大歓喜
そうして何より、ところどころですが初代アニポケのオマージュというか、それを思い出させるような演出がなされていたところが評価ポイントとなっています。
まずBGMがすべてではありませんがそのほとんどが初代アニポケのものを使っている点。
そのため、最新のポケモン映画を見ているにもかかわらず、子どもの頃に夢中になって見ていた一番最初のアニポケを見ている気分になりました。
またトレーナーに捨てられたヒトカゲやバイバイバタフリーなど、アニメを見た人なら絶対に分かる名シーンもストーリーに違和感なく組み込まれている所もいいですね。 当時を思い出して泣きそうになりました。
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本作でサトシのライバルとして登場するクロスも、当初は高飛車だったが敗北を機に考えを改める(シゲル)、ヒトカゲを捨てた(ダイスケ)、ポケモンとの信頼関係よりも強さにこだわる(シンジ)と歴代ライバルの要素をすべて詰め込んだキャラになっています。
そして極め付けには、エンドロールでサトシの歴代旅仲間(タケシ、カスミ、ケンジ、ハルカ、マサト、ヒカリ、アイリス、デント、シトロン、ユリーカ、セレナ)が登場したのには歓喜しました。
今回はifのストーリーということでタケシやカスミはサトシとは絡まない(エリカとのジム戦シーンがあるので、バトルはしたと思う)のが残念ですが、今までテレビでアニメを見てきた私にとってはちょっとしたサプライズでした。
2人が登場することは内心ほとんど期待していなかったので、エンドロールの数秒間だけでも登場してくれたのはうれしかったですね。
余談ですが、サートシくんのライバルことシゲルも、本編で後ろ姿ですが一瞬登場しています。
この映画はポケモン映画20周年を記念して、ポケモンを愛しているすべての人に見てほしい作品となっていますが、懐かしいものと新しいもの、2つの要素を取り入れどの世代のファンでも楽しめるようになっています。
俺たちの旅は、これからだ!
そして私が個人的に驚いたのがラストシーンにありました。
ついにテンセイ山にたどり着いたサトシ一行を、同じくホウオウとのバトルを望むクロスが立ちはだかる。
実はクロスもサトシと同じくホウオウを見かけたことがあり、自身こそが虹の勇者にふさわしいことを証明するためにバトルを挑んできた。
しかしバトルの最中サトシのリザードがリザードンに進化、サトシはついにクロスに勝利した。
バトルの結果に納得のいかないクロスはサトシからにじいろのはねを奪い取り、ホウオウを呼び出そうとする。
しかし勝利にこだわるクロスの歪んだ心によりにじいろのはねは色を失い、あたりに闇のオーラが広がる。
彼らがホウオウに会うにふさわしくない悪しきトレーナーだと判断したのか、マーシャドーはクロスのルガルガン(まよなかのすがた)や山に集まっていたポケモンたちを操り、サトシたちトレーナーをパートナーと引き離そうとする。
マーシャドーを止めるべくサトシとピカチュウはバトルを挑むが、さすが幻のポケモンと呼ばれているだけあってさすがのピカチュウも窮地に追い込まれてしまう。
サトシは旅立ったあの日、オニスズメの群れに襲われたあの日と同じようにピカチュウにモンスターボールに入るように言い、ポケモンたちの前に立ちはだかり、奇しくもあの時と同じセリフを叫ぶ。
そしてあの時と同じように、ピカチュウはポケモンたちにでんげきを浴びせる…ことはせずサトシと一緒にポケモンたちの攻撃を受けた。
あの時と同じく、モンスターボールに入らなかったピカチュウ。 サトシがなぜ入らなかったのかと聞くと、ピカチュウは…
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君と一緒に、いたいから。
し、喋った!!?
もちろん本当にしゃべったわけではなくピカチュウの思いがサトシに届いたのでそう聞こえただけだと思いますが、アニメ放送開始から約20年後にまさか喋るピカチュウを拝むことができるとは…正直、今回の映画で一番印象に残ったシーンでしたね。
この後サトシがポケモンたちの攻撃を受け消滅してしまい、ピカチュウとの友情を忘れなかったサトシが再会するという感動シーンがあるのですが、ピカチュウが喋った(?)シーンは同じくらいの衝撃でしたね。
そのサトシ消滅&再会シーンも、私が人生で初めて見たポケモン映画「ミュウツーの逆襲」のサトシの石化シーンを思い出して泣きそうになりました。
サトシとピカチュウの絆を見たマーシャドーは、サトシを虹の勇者と認め、にじいろのはねによって呼び出されたホウオウとサトシは念願のバトルを楽しんだ。
ここであえてバトルの結果を描写せず、観た人の想像に任せる演出にしたのはなかなか面白いと思いました。
まとめ
今回の「キミに決めた」は、一言で言うと「もう1つの第1話」とも言うべきストーリーになっていたと思います。
アニメの第1話でホウオウに会ってバトルすることを決意したサトシが、アニメとは別の道を進み、ホウオウと出会ったことでやっとスタート地点に立ったような印象を受けました。
いつもなら一番最初に流れるメインテーマや「ポケットモンスター、縮めてポケモン。 この星の、不思議な不思議な生き物」というおなじみのナレーションも本作ではエンディング前に流れていたため、「これからサトシのポケモンマスターになるための大冒険が始まる」っていうイメージがすごく強かったように感じました。
賛否両論あるものの、細かいところがあまり気にならなければ初代アニポケだけでなく、ポケモンを愛している、または過去にはまっていた人ならだれでも共感でき、楽しめる作品となっていますのでポケモンが好きなら見てみて損はないと思います。
私は最近ポケモンのゲームをやり始めたものですが、これからもポケモンを愛していくつもりです。
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