先週の放送でついに完結した「Go!プリンセスプリキュア」。
「夢」というテーマを1年間を通して描き続けた本作はファンの間でも高評価で、私も個人的にシリーズ最高傑作だと感じています。
そんな姫プリの物語を語るうえで欠かせないキャラクターの1人に敵キャラの「クローズ」がいます。
クローズは10年近く続くプリキュアシリーズを通してみてもかなり特異な扱いを受けています。
※この先Go!プリンセスプリキュアの重大なネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
序盤でまさかの退場
クローズは闇の魔女ディスピア率いる「ディスダーク」の幹部として、プリキュアの覚醒を阻止する命を受け人間界にやってきました。
しかし彼の努力もむなしく3人のプリキュアが覚醒してしまう。
その後は打倒プリキュアに路線変更し、ゼツボーグ(人の夢から生み出すディスダークの怪物)をけしかけるも逆に倒されてしまい、段々と追い詰められていく。
精神的に追い詰められ、彼にとって運命を狂わされたすべての元凶である春野はるか/キュアフローラに八つ当たりを始める。
でも私を含め視聴者はここからはるかとクローズの因縁が始まるということに気付かなかった…。
そして彼にとって転機となったのは11話。
遂に上司のディスピアから最後のチャンスを与えられたクローズは、カラスのような姿の怪物形態に変身し、刺し違えてでもプリキュアを倒そうとする。
プリキュアとクローズともに激闘を繰り広げるが、新たな力を得たプリキュアの必殺技を受け、ついに消滅してしまった。
最近のプリキュアシリーズの敵組織は、3人組の幹部が登場するのですが、そのほとんどが最終話まで生き残り、プリキュアと和解し善人となるパターンが恒例となっていました。
本作でも「ディスダーク3銃士」と呼ばれる3人組が登場し、彼らも同じ運命をたどるかと思われていた矢先、11話にてクローズが殉職という予想外の展開を迎えてしまいました。
そのあまりにも早すぎる死に、最も因縁の深いキュアフローラ、そしてテレビの前の視聴者は憂いの表情を浮かべていました。
ファンの予想を裏切る展開で始まった姫プリでしたが、驚くのはまだ早い。
中盤でまさかの復活
彼にとっての2つ目の転機は30話。
3銃士の1人で、下剋上を企てていたロックがプリキュアに撃破されたのち、彼から絶望のエナジーを吸収する1羽のカラスが現れる。
そして翌話の31話、クローズがまさかの復活を果たした!!
幹部の1人が倒されることさえ珍しいのに、後に復活を果たした幹部は後にも先にもクローズが初なのではないのでしょうか。
このクローズの復活という一大イベントはファンにとっては思ってもみないサプライズだったようで、ネットのあちこちでクローズの復活をお祝いする歓喜のコメントが見られました。
私もその1人ですが、クローズがいかに多くのファンに愛されているかが分かりますね。
外見が変わっただけでなく大幅にパワーアップしており、3人はおろか初対面のキュアスカーレットでさえ圧倒するほど。
クローズ復活前に眠りについていたディスピアを、裏切り者のロックから奪い取った絶望のエナジーで復活させ、「絶望の種」なるものを人間界に撒いてきたことを告げた。
幹部を通り越してディスダークのナンバー2にまで昇格したクローズはやはり自身の作戦を台無しにされたはるかに的を絞りあの手この手ではるかを陥れようとする。
「夢はお前を追い詰める」、「お前の夢なんて本当はどこにもない」とはるかを追い詰めるものの、そのたびに困難を乗り越えてしまい、渾身の作戦はことごとく失敗に終わってしまう。
そして終盤、絶望の種を使った作戦も失敗に終わり、もう後がなくなりついに人間界への侵攻を開始したディスダーク。
序盤から最後まで主ディスピアへ忠誠を尽くし続けたクローズは彼女の力となり、プリキュアに襲い掛かる。
絶体絶命のピンチでもプリキュアや元幹部たちは諦めず、最終形態グランプリンセスになりディスピアを撃破した。
最後の敵を撃破し、戦いを終え最終回は後日談になると誰もが思ったが…最後の最後でどんでん返しが待っていた。
終盤でまさかのラスボス
ディスピアは消滅したものの、その力をクローズに託していたため彼が最後の敵として立ちはだかった!!
第1話で初めて登場した最初の敵が、最終話で最後の敵となって立ちはだかるという、これまた今までにない展開。
もちろん私がリアルタイムで第1話を見たときも、彼がラスボスになるなんて予想だにしていませんでしたw
これまで互いに因縁の相手としてぶつかり合ってきたキュアフローラ/春野はるかは彼を説得するため1対1のタイマンで勝負する。
クローズは「夢がある限り絶望は消えない」と言葉を投げかけながら、グランプリンセスとなったフローラを追い詰め絶望させようとする。
しかしこの1年間で大きく成長したフローラは、彼の攻撃に屈することはなく、むしろ「絶望は消えない」というクローズの言葉を肯定。
「絶望があったからこそ、自分はここまで成長できた」、「絶望が消えないのと同じように、絶望がある限り夢も輝き続ける」というフローラの言葉を聞いたクローズが出した結論は…
「消えてやるよ。今はな…あばよ。」
夢と絶望、相容れない者同士が激突しても決着がつかないと判断したクローズはなんと、倒されることもなく、完全に和解したわけでもなく、再び激突することをほのめかしその場を立ち去った。
まとめ
以上まとめると、クローズはプリキュアシリーズ稀に見るくらい優遇された超絶カッコイイ敵キャラだと思います。
最初はいつもの3幹部の1人だったのが威厳たっぷりの大幹部にまでのぼりつめた大出世劇は私を含め多くの視聴者の注目を集めたでしょうし、夢も絶望も絶対になくならないと知るや潔く身を引く男らしさも魅力的でした。
本作は「夢と希望」がテーマとなっていますが、もう1つのテーマとして「春野はるか/キュアフローラとクローズの因縁」があると私は解釈しています。
この2人の対決を通して、はるかの挫折と成長を垣間見ることができたという点でも『Go!プリンセスプリキュア』は良作と言えそうですね。
クローズは間違いなく、姫プリのストーリーを盛り上げ、人気上昇に貢献した立役者と言っても過言ではありませんね。
聞いた話では、クローズは当初11話で退場後は復活する予定はなかったとのこと。
ですが、ファンやスタッフからの復活要望が多かったのか、予定が変更されクローズは華々しく復活を果たしたわけですね。
復活しない当初の放送プランも気になりますが、クローズを復活させ、その後も数多くの出番を与えた、そしてクローズという素晴らしいキャラを生み出してくれたスタッフの皆さんには感謝の言葉を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
魔法使いプリキュアも楽しみにしたいと思います。
次回もバッチリミィヤー!
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